「相続分放棄」の法的性質と実務上の注意点
遺産分割の場面においては、「自分の相続分はすべていらない」と表明する「相続分の放棄」が行われることがあります。この相続分の放棄の手続きをとれば、既に家庭裁判所で遺産分割調停や遺産分割審判などが係属している場合でも、遺産分割の手続きから離脱することができます。 では、これはどんな性質の手続きかというと、相続財産全体に対する自分の持分を放棄するものであり、民法255条「共有持分の放棄」を準用して、放棄された持分が他の相続人にそれぞれの相続分の割合に応じて帰属する、という解釈が一般的です。また、これは他の共同相続人の同意や承諾を必要としない「単独行為」と解されています。
注意が必要なのは、この「相続分の放棄」は、家庭裁判所に申述して最初から相続人でなかったことになる「相続放棄(相続の放棄の申述)」とは法的に異なるということです。分かりやすい例だと、もしも被相続人に債務(借金)がある場合、相続放棄をすればこの債務からも逃れることができますが、相続分の放棄をしても債務からは免れられません。
このように、「相続分の放棄」と「相続放棄」は言葉が似ているので混同される方が多く、注意が必要となります。
ところで、筆者の個人的な意見ですが、この「相続分の放棄」の法的な性質が関係するテーマの文献を読むと、相続法の奥の深さを感じてまだまだ勉強しないといけないな、と思うところです。
作成者:弁護士 竹村
受付時間
【平日】
午前9:00~午後6:00
※土日でもご相談に対応できる日もございますので,平日の営業時間内にお問い合わせください。
所在地
〒721-0958広島県福山市
西新涯町2丁目21番41号
たけぜいビル2階
ビル内に協力税理士事務所,司法書士事務所有り
(広島弁護士会福山地区会)
084-999-2410
